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ページェントごっこ

2017年12月24日

私たちの東福岡幼稚園は、キリスト教の教会付属の幼稚園です。日頃から、讃美歌を歌い、お祈りをして、子どもたちもキリスト教に親しんでいます。キリスト教保育をしている幼稚園で、一年で一番大切な行事は、もちろんクリスマスです。クリスマスは、イエス・キリストがお生まれになられたことを、みんなでお祝いする行事です。それで、毎年12月には、子どもたちは『クリスマス礼拝』をして、全園児でページェントをします。ページェントとは、イエス・キリストが生まれた時のことを劇にしたものです。

子どもたちは、イエスのお母さんのマリア、お父さんのヨセフ、マリアにキリストが生まれることを伝えた天使ガブリエル、野原で夜を過ごしていた羊飼いや羊、羊飼いにイエスが生まれることを知らせた天使、博士にイエスが生まれることを知らせた星、3人の博士たちなど、全園児がいろいろな役になります。どの役も子どもたちが自分で選ぶのですが、一つの学年しかできない役や、また、役によっては人数制限があり、第二希望の役になることもあります。しかし、子どもたちは、それぞれ自分の役に、やりがいや面白さや楽しさを見出し、『クリスマス礼拝』のころには、自分の役が大好きになっています。『クリスマス礼拝』当日は、園児たちの保護者や来賓の方々も参加され、子どもたちは少し緊張しながらも楽しんでページェントを演じます。しかし、『クリスマス礼拝』は、幼稚園で計画された行事・・・子どもたちは、今年は何の役をしようかと楽しみにはしているのですが、「ことしもページェントがしたいです」と子どもたちが自主的に計画する行事ではありません。

では、子どもたちは楽しんではいるものの、やはりやらされているだけで、このページェントが終わってしまうのでしょうか? 子どもたちの様子を見ていると、決してそうではないことがよくわかります。たとえば、トイレに行きながら鼻歌で自分の役の歌を歌ったり、園庭に出るために友達と一緒に靴をはき替えながら、他の役の歌を歌ったり、おままごとの最中に一人の子どもが振り付きの歌を歌いだすと、近くにいた子どもがそれを真似して一緒に振り付きで歌い、ふたりでにこにこしながら何度も繰り返していたり、そのような様子がよく見られるようになります。時には、年齢の高い子どもたちは、勝手に替え歌を作ってゲラゲラ歌いながら楽しんでいることもあります。そして、2学期の終園式の日には、どの役も人数に関係なくしてみたい子どもがみんなして良いという『ページェントごっこ』をしています。クリスマス礼拝と同じ役を希望する子どももいれば、他の学年がしていた役になり、歌も台詞もとても正確に再現する子どももいます。今年の終園式のページェントごっこでは、マリアの役に6人がなりました。年長組が1人、年中組が1人、残りの4人は年少組でした。マリア役は、年長組しかできない役だったので、あこがれていたのかもしれません。マリアになった年長組の子どもが「マリアの家族。家族が増えた」と言って喜びました。

日常の生活の中に、遊びの中に、ページェントの歌や台詞が自然に出てくることは、子どもたちの中でページェントはすでに、させられたものではなく、《遊び》として位置づけられたことになると私は考えます。

 

今年も、ある子どもたちが、勝手に替え歌を歌って遊んでいました。私は、いつも、どの子どもがどのような替え歌を作るのか、とても楽しみにしています。だって、替え歌を作ることができるのは、その歌の歌詞や内容を、正しく理解していないとできない作業なのですから。友だちのまねをして、同じように替え歌を作った子どもがいましたが「は~? それへんじゃない? いみわからん」と他の子どもからひんしゅくをかっていました。

 

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