子どもの学びを支えるおもちゃの力
おもちゃインストラクターのAです。2回のコラムで話題となった「遊び=学び」の具体例をひとつご紹介いたします😌
年長のAくんは、積み木や組み立てクーゲルバーンなど、自分の思い描く形を、おもちゃを使って表すことが大好きです。思い通りにいかないことに葛藤しながらも、時間をかけて少しずつ完成へと進めていく力があります。
ある日のお部屋遊びの時間、AくんはBくんと一緒に、「Piks(OPPI社)」というおもちゃで遊び始めました。これは、3種類の高さのシリコン製三角コーンと木製プレートを、崩れないように積み重ねていく、シンプルながらも奥深い遊びです🍀
Aくんは今までに何度か遊んだ経験があり、「もうできない」と諦めたり、「やっぱりやってみる」と挑戦したりを繰り返す中で、少なくとも3つのコーンがあれば、プレートを支えられることを、自らの体験を通して学んできました。
その日は、大きな机の上に広げたパーツと「ゲットスマートカード」を見ながら、どれを作ろうかとBくんと一緒に相談していました。いくつか作っていくうちに、「次はこれにしようかな」と、どんどん難しいものに挑戦していきます。しかし、難しくなればなるほど、崩れやすくなり、作り方に対して意見の食い違いが出てきました。2人でどのようにしたらいいか考え、指示係と作成係に分かれて作ることにしました。
やがてBくんは満足して別の遊びにうつりましたが、Aくんは一人でコツコツと取り組み続けました。最も難易度が高いカードは非常に難しく、何度も崩れてしまいます。BくんもAくんの様子を見に来ては、気にかけている様子でした。また、Aくんの「なぜかできないんだよなあ」と呟きを聞いたCちゃんが「やってあげようか」と手伝うこともありました。
そのような過程をふみ、担任が見守るなか、Aくんは真剣な表情で何度も挑戦し、ついに完成させました✨
その喜びは本人だけにとどまらず、BくんやCちゃん、そして周囲で遊んでいたクラスの友達にも広がり、「Aくんがこんなに高く作ったんだよ」とみんなで一緒に喜びあいました。
この遊びの中には、指先をたくさん使う、バランスをとる経験、力加減の調整、より良い作り方を探る試行錯誤、論理的思考力の育成、自分で改善点を見つけて再挑戦する問題解決力、完成したときの達成感を、共に喜ぶ嬉しさ、他者の喜びを分かち合う経験…といった、たくさんの学びがつまっています💖
「遊び=学び」とはまさにこうした体験を指します。そして今回の学びを支えたのが、「Piks」というおもちゃでした。良質なおもちゃは、遊びの幅が広げ、学びの可能性を大きく広げてくれます💫
ひがしふくおか幼稚園では、このような良質なおもちゃを集めた「おもちゃの広場」を、明日7月26日(土)に開催いたします。ぜひ、親子でたくさんのおもちゃに触れ、一緒に遊んでみてください。みなさまのお越しをお待ちしております😊💓