遊びの種は、すぐそばに
おもちゃインストラクターのAです。
私は預かり保育を担当しています。預かりの時間は、保育後のひととき。たっぷり遊び、たくさん頑張った子どもたちが、お迎えまでの時間、それぞれのペースでゲームや工作をしたり、おしゃべりをしたりしながら、ゆったりと過ごしています😌
子どもは、いつも元気いっぱいとは限りません。昨日夢中になっていた遊びが、今日はなんだか違う。「遊びたい」気持ちもあるけれど、「ちょっとボーっとしたい」気持ちもある。そんな日もあります。
ある日の年長Aちゃんは、まさにそんな感じ。昨日楽しく遊んだおもちゃは、今日は気分じゃないようでした。
そこで迎えた工作の時間。保育者が使っていた小さな鉛筆削りに、Aちゃんが目を留めました。くるくると削れていく色鉛筆。するすると長く伸びていく、色とりどりの削りかすに興味津々。「Aちゃんもやってみる?」その一言から、遊びが始まりました。どこまで長く削れるか挑戦したり、くるんとした形を並べてみたり。削りかすのさわりごこちも楽しんでいました。「ごはんにかけたらおいしそう!」と想像も広がります。
鉛筆削りは、本来“削るための道具”です。でもAちゃんにとっては、それが立派な“遊びの種”になりました。
そんなもうすぐ一年生になるAちゃんに、今度は手で回すタイプの鉛筆削りも用意してみました。削りかすが下の箱にたまっていく様子を見て、「ちりめんじゃこみたい!」と目を輝かせます。気づけば、預かり保育の色鉛筆はすべて削り終えてしまいました。「もう終わり?まだやりたいなあ」と少し残念そうでした。
そこで、年長クラスの色鉛筆もお願いすることに。その様子を見ていたBちゃんも「私もやりたい!」と仲間入りです。先をぴかぴかに尖らせることにこだわるAちゃん、削ること自体が楽しいBちゃん。「ここまでやったからよろしく」「仕上げは任せて」自然と役割分担が生まれ、2人でなんと5セット、120本も削ってくれました。
ただ“削る”という単純な動作。けれどそこには、繰り返す楽しさ・感触のおもしろさ・想像の広がり・友だちとの協働・やり切った達成感など、たくさんの学びと喜びが詰まっていました。お迎えに来た保護者の方に「これ買ってほしい!」とお願いするほど、夢中になったAちゃんでした。
子どもは、いつも元気いっぱいとは限りません。疲れている日もあれば、うまくいかずにがっかりする日もあります。けれど、その時々の気持ちに寄り添いながら、ほんの少し環境や方法を変えてみる。それだけで、「なんだか楽しい」という瞬間に出会えることがあります。何気ない日常の中にも、遊びの種はたくさん隠れています。「やりましょう」と言われるのではなく、子ども自身が「おもしろい!」「もっとやりたい!」にたどり着くこと。その小さな積み重ねが、自信となり、成長へとつながっていくのだと、あらためて感じた一日でした😊🍀


