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子育て・あのね

2023年10月の過去ログ

万聖節(ハロウィン)

2023年10月25日

東福岡幼稚園理事

東福岡教会協力牧師

松見 俊

皆さんはハロウィンをどのように迎えますか? 我が住まいは早良区百道浜にあり、近くの福岡タワーはもう何週間も前からハロウィンのイルミネーションです。落ち葉が散り、かぼちゃや蝙蝠、魔女が箒にまたがり飛び降りてきます。ハロウィンということでデパートやモールなどに行くとカボチャにお菓子やアメの入ったものが売られています。ハロウィンとはどのようなお祝い日なのでしょう。

キリスト教の暦では11月1日は「万聖節」(All Saints Day)であり、亡くなったキリスト教の諸聖人を記念し、亡くなった家族のお墓参りをする習慣があります。ちなみに、プロテスタント(新教)では、10月31日にハロウィンと一緒に万聖節を祝います。現在バプテスト教会でもこの日に近い日曜日に召天者記念礼拝を行う教会もあります。

私がスイス、チューリッヒ郊外のリュシュリコン村にある神学校に留学していた時、収穫の季節になると、村では子どもの頭を少し小さくしたような大きな「蕪」を農家が提供し、その蕪をくりぬいてランタン(西洋提灯)にします。くりぬいた蕪はたぶん我が家だけしょうが、塩漬にして食べました。長男(当時小学2年生)、次男(当時幼稚園年長さん)は、このランタンをぶら下げて村を練り歩き、ゴールでは大きな焼いたソーセージを貰ったものです。このような収穫感謝が終わりと、次はケルテェンツィーエン(Kerzenziehen)になります。蝋燭(Kerze)の芯になる太糸を溶かした蝋の中に垂らし、十回くらい繰り返すとクリスマスに使う蝋燭(ケルツェン)ができるのです。キリスト教の歴史と季節がマッチした人間の営みです。

それが米国に渡ると米国の文化を反映して「蕪」より「かぼちゃ」のランタンになるようです。ではこの習慣がいつから仮装パーティーとなったのでしょうか?欧州では古代ケルト民族(ケルトの暦は11月1日から始まる)は新年を迎えるにあたり、まず10月31日に先祖の霊を迎えたらしいのです。日本のお盆のようなものです。それが森にすむ精霊、妖精たち、更に魔女? 魑魅魍魎(ちみもうりょう)との交歓となり、収穫感謝とお盆とお彼岸と正月が一遍に来たような祭りとなったようです。仮装をして日常の憂さを晴らし非日常、ケの中にハレを演出するようになりました。英語で「ハロウ」(hallow)とは「神聖なものとして崇めること」を意味し、私たちは「神のみ名がhallow」されるように、「み名をあがめさせ給え」と「主の祈り」で唱えています。お宅のお子さんたちも年長さんになると「主の祈り」を暗唱するようになるのでしょう。神様と農夫たち(そして保護者の皆さん)に感謝する気持ち、そして、亡くなられたひいお爺さん、お婆さん?のことを思いだす機会となると良いですね。

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