ぼくのうた・わたしのうた(遊びから、自分のものへ)
早いもので、もう目の前は12月!! キリスト教の教会の附属の幼稚園で一番大切な行事は、なんといってもクリスマスです!!!子どもたちは、11月になるとクリスマスの準備と共に、クリスマス礼拝・祝会に向けて、ページェントの練習を始めます。ページェントとは、聖誕劇または降誕劇のことで、イエス・キリストが生まれるまでの話を、劇にしたものです。
私たちの幼稚園では、最初から配役を決め、劇の練習をするわけではありません。子どもたちは、それぞれ、自分がなりたい役になり、しばらくはページェントごっこをしながら、自分はどの役になりたいのかを考え、自分で決めていきます。それで、毎日配役が変わり、また、本来は一人でする役を複数で演じたり、男女の区別なくいろいろな形でページェントごっこを楽しみます。もちろん、配役については、最終的に子どもたちの希望が全てかなうわけではありませんが、ページェントごっこをするうちに、子どもたちは自分がなりたい役をいくつか見つけ、第一希望の役になれないときは、第二希望の役になろうなどと、自分で考えていきます。ページェントごっこをして、子どもたちの希望がある程度はっきりしてきたときに、配役を決めます。もちろん、保育者が決めるのではなく、子どもたちが自分たちで話し合いをして決めていきます。役によっては、一つの学年に任されることもありますが、満3歳そら組以外は、二つ以上の役から自分で選ぶことができます。
配役を決めるころになると、子どもたちはページェントの歌の中に、それぞれお気に入りの歌を見つけ、いろいろなところで口ずさむようになります。廊下を歩きながら誰かが歌いだすと、他の子どもたちが一緒に歌いだしたり、先日は、トイレの中が騒がしいと思ってのぞいてみると、女の子たちが、用を足しながら歌い、用を足した子どもたちは、トイレの個室の中でその歌の振り付けと一緒に歌っていました。(次にトイレの順番を待っているお友だちがいるのに、そんなことは忘れてしまい、大きな声で、その役になりきって、役を演じていました。)男の子たちも、同様に用を足しながら、女の子とは異なる歌を歌っていました。朝の登園後や、昼食の後の自由遊びの時間にも、布を体に巻き、好みの役になりきって遊ぶ姿も見られます。
最初は、保育者から提案されたページェントごっこと言うものが、しばらくすると、子どもの生活や遊びの一部となっていくのです。ページェントが、自分のものになり、自分が演じること、そしてお友だち一緒に演じることがどんどん楽しくなる、その姿を見ることは、私にとってとても嬉しく楽しいことです。