過去ログ
自分で考えたコンパス
年長ひかり組のAちゃんは、自分でいろいろな遊びを作り出す、とても素敵な子どもです。
ある日、Aちゃんが、幼稚園の門の近くでしゃがんで何かをしていました。「
Aちゃん、何をしているの?」と聞くと、
Aちゃんはこう答えました。「このまえ、おかあさんがこんなの使ってたの」
Aちゃんは小さな枝を半分に折り、その枝をコンパスにして、地面に丁寧に円を描いていました。お家でお母さんがコンパスを使っていたのを、きっと
Aちゃんは興味深く観察していたのでしょう。「お母さんが使っていたのは、たぶんコンパスという円を描く道具だったと思うよ。
Aちゃんは、自分でそれと同じ物を考えたんだね。
Aちゃんすごいね
!! もう一度、円を描くところを見せてもらえる?」と私が言うと、
Aちゃんはゆっくり丁寧に地面に円を描き、私の方を向いて「ほら、こんなのできる」と言いました。それから
Aちゃんはいくつもいくつも、きれいな円を描いて見せてくれました。「
Aちゃんは、本当に素敵な道具を持っているね。私にも使い方を教えてもらえる?」と言うと、
Aちゃんは、枝の片方を地面にまっすぐ立て、それが動かないように片手でしっかりと押さえると良いと、描くコツを教えてくれました。私が
Aちゃんの言ったとおりに、その枝のコンパスを使って地面に円を描くと、
Kちゃんは「ね!まるくかけるでしょう!」と私が上手に描けたことを一緒に喜んでくれました。
Aちゃんにか限らず、ひがしふくおかようちえんの子どもたち
は、いつもいろいろな事や物を、よく見て
、よく観察
しているような気がします。自分がおもしろい
、楽しい
と思ったものを、自分なりに再現したり作り出したりする姿を見ることがあります。その度に、「こういうことが、発明につながるのだろう」と感心する
ばかりです。
ゲームやおもちゃが無いから遊ぶことができない、ということは、この子どもたちには無いのだろうと思っています。自分で遊びを作り出す、なんと素晴らしい
こどもたち
なのでしょう!
ゲーム・ボードゲーム
幼稚園には、たくさんのおもちゃがあり、その中にはゲームやボードゲームもあります。ここでいうゲームは、一般的に知られている最新のゲームではありません。すべてアナログのゲームで、自分たちで考えたり動かしたり
しなければ遊ぶことができないゲームです。
先日も、保護者の会からの園児へのクリスマスプレゼント
について、相談がありました。子どもたちにとって、必要なものは?と考え、良質なおもちゃ
を頂くことにしました。そして、積木とゲーム
『さわってなあに』
『スピードカップス』を選びました。また、おもちゃも増えてきたので、新しいおもちゃ棚もお願いしました。
ゲームやボードゲームには、びっくりするほどたくさんの種類があり、説明書を読んだだけでは、その遊び方がよくわからなかったり
、面白さが伝わってこない
ことがあります。それで、「面白そうだけど、やっぱりやめた
」となることもよくあります。初めてするときには、そのゲームの面白さをよく知っている人から方法を教えてもらい、その人と一緒に遊ぶと、そのゲームの楽しさ
がよくわかり、今度はその面白さや楽しさをほかの誰かに伝えたく
なります。ゲームがコミニュケーションツールとなり、他者と遊ぶことの楽しさを味わうことができます。しかし、自分の思い通りにはいかない
のが、ゲームなのです。一番になりたくても、たくさん点数を獲得したくても、それは必ずしも保障されていません。大人も子どもも、悔しい思い
は一緒です。でも、ゲームは、もう一度やり直し
ができ、みんなに平等にもう一度チャンスが与えられます。「今はうまくいかなくても、チャンスはやって来る。あきらめずに、もう一度頑張ってみよう!さっき、うまくできなかったところはどこだろう?今度は、同じ失敗をしないようにしてみよう」とまた意欲
が出てきます。 あれ?何かに似ていませんか? 社会生活だったり、人生だったり・・・
いかがですか? ゲームで、私たちは気づかないうちに、そのような大切な体験
をしているのです。
冬休みは、ご家族でアナログのゲームであそんでみませんか?子どもは、人と一緒に遊ぶことの喜びを感じ、大人に勝つことで自分に自信を持ち、また、普段はゆっくり話ができない家族との会話
も楽しむことができるのではないでしょうか?
トランプ、かるた、すごろくなども楽しいでしょう。また、もしゲームを購入される場合は、幼児は、『参加者みんなが仲間となり、ゲーム上の相手と競うようなゲーム・・・例えば、《マイファースト果樹園》・《
果樹園ゲーム》など』や『個人の能力よりも、偶然により勝敗が決まるゲーム・・・例えば《
にじいろのへび》《
ステッキーズ》《
バランスタワー》など』がお勧めです。これらのゲームは、すでに幼稚園で日頃から
園児たちが楽しんでおり、どのように楽しんでいるかは実証済みです。できれば、おもちゃの専門店で購入
なさることをお勧めします。
楽しいクリスマスと
お正月をお迎えください!
砂遊び
新しく作られり、リフォームされた公園・保育施設には、砂場が無いとの話を最近よく聞きます。理由は、犬や猫などの糞の被害で砂場が不衛生になり、子どもたちが安全に遊ぶことができないというのが大きな理由の様です。しかし、砂場の教育的な意義を十分に理解し、子どもたちの登園前の園庭掃除の時間に、丹念に砂場の掃除や安全の確認をしり、子どもたちの降園後に砂場を消毒し、シートを被せ、安全を確保したりしている幼稚園や保育園も沢山あります。
東福岡幼稚園には、砂場はありません。なぜなら、園庭すべてに砂が敷き詰められ、園庭=砂場(園庭のすべてが砂場)だからです。今日も子どもたちは、その園庭で砂遊びをしたり、縄跳びや鬼ごっこ(まるで砂浜トレーニングの様です)をしたりして、元気に遊んでいます。
さて、『子どもの発達と砂場の役割り』とは、どのようなものなのでしょうか?
①感覚的な遊びから、体全体のバランスや大きな筋力を必要とする遊びを経験することができる。いずれも、その後の運動能力の基礎的な力となるものである。②子どもの想像力と創造力をしっかりと受け止め、そして発展させてくれる貴重な素材である。③仮説と実験を繰り返すということから、科学の世界につながる遊びと言える。④比較、対応、量、大きさ、高さ、深さ、重さなどの概念が具体的な実感を持って鍛えられていくということから、初歩的な数学的な思考が試される遊びと言える。⑤遊びながら擬音・擬態の言葉、状態や状況に応じた言葉、比較の言葉、仮説の言葉など、多くの言葉を使う。⑥砂という素材は、情緒的な安心感を与えてくれるとともに、集団との関わりを通して、子どもが社会性を学ぶ機会を提供する。(参考文献・・・笠間浩幸 著『〈砂場〉と子ども』より)
砂は自分の思いどうりに、自由に遊ぶことができる反面、粘土や積み木のようにずっと形を保つことができない、不思議で面白い素材だと思います。子どもたちは、自分で実際に遊んだり試したりして、素材の特徴を知ったり、その特徴を生かして遊ぶことができるようになります。毎日毎日、遊びを生み出す子どもたちを見て、幼稚園の園庭(砂場)で本当に数えきれないくらい多くのことを学んでいるのだろうなと感心するばかりです!!
第9回 おもちゃの広場
8月27日土曜日に、毎年夏休み恒例の『おもちゃの広場』を開催しました。子育て支援
として始めたこの
『おもちゃの広場』も、定期開催としては9回目となりました。歴史ある木造の園舎の中で、たくさんの良質な選び抜かれたおもちゃに親しんでいただくとともに、
お子さんと保護者の方にゆったりとした空間で遊んでいただき、お子さんの心身の成長を改めて感じたり、これからの成長を楽しみにしたり、また、子ども
も大人
も一緒に楽しむことができるいろいろなボードゲームで楽しい時を共有したり・・・ 手作りおもちゃを自分で作り、作ることの楽しさや面白さを感じたり、自分で作ったからこそ修理の方法
がわかったり・・・ 今回も、たくさんの方々
に参加して頂きました。本当にありがとうございました。東区はもとより、遠くは博多区、南区、中央区、糟屋郡からも来ていただきました。
さて、当日の様子は? 子どもたちは、いろいろなおもちゃで遊びながら、そのうちに自分の好きなおもちゃを見つけ、集中して何度も繰り返して遊ぶ姿が見られました。小学生
や大人
は、ボードゲームの楽しさを一緒に分かち合いながらも、時々競争心
も見え隠れ・・・
素敵なおもちゃは、心を豊かにしたり、社会でみんなと一緒に生きていく上で大切なこと
を学ぶことができたり、体の成長や発達
を促したり、初めて出会った人と人をつないでくれる魔法の道具
だったり。では、当日の皆様の様子を、写真でご覧ください。ほら、こんな素敵な笑顔
がいっぱい!!!撮影にご協力下さった皆様、ありがとうございました。今回ご参加いただいた方
、残念ながら、ご参加いただけなかった方
、来年の
『おもちゃの広場』でお会いできることを、心から
楽しみにしています。
みんなで一緒に、カラー軍手でお人形を作っています。
こんなに素敵なお人形ができました!
「わたし、リングを棒に通すことできるの!」
「ビー玉、なかなか 落ちないねえ~」
「ぼく、Tuminyすき!」(左)
「僕、絵本の通り作っているの。できるかな?」(右)
牛乳パックシアターの『ももたろう』
始めにももをピンクに塗りました。
ももを半分に切って、牛乳パックに貼りました。
牛乳パックのシアターの『ももたろう』の出来上がり!
「これ、ももたろうのお話しするとき、クルクル回るの。おもしろいよ!!」
どんぐり文庫の「おもちゃの広場」
昨年度の幼稚園での「おはなしの広場」で、園児や未就園児クラスの子どもたちに、おはなし(絵本や組木パズルを使ったおはなしなど)をして下さったどんぐり文庫の梶田さんのお家で、初めての「おもちゃの広場」を開催しました。「おもちゃの広場」とは、子どもたちの心と体の成長に欠かせないたくさんの良いおもちゃで、自由に遊ぶことができる遊びの催しです。
午前中は乳児と
幼児、午後は
幼児と
小学生を対象としました。残念ながら午前中は雨が降り、バギーでのお出かけは難しかったようで、
赤ちゃんの参加はありませんでしたが、幼児と小学生のご兄弟3人
が遊びに来てくださいました。ハンマートイの「大工さん」
、木製の汽車セット
、トラックとお荷物で遊ぶ「Tuminy」
、積木など、それぞれ好きなおもちゃを見つけ楽しく遊ぶ姿が見られました。午後には、午前中に参加して下さった3人のご兄弟
が一番下の赤ちゃん
とお母さん
を誘って、そしてそのほかにも、たくさんの
幼児、
小学生、
保護者の方が参加して下さり、初めて出会うたくさんのおもちゃに
興味津々!! 特に、ボードゲームやゲームは、
小学生
と保護者の方に大好評でした。
カラスと参加者が競う「マイ ファースト 果樹園」、
双六の「はしれ こぶたくん」、
猫がネズミをつかまえる「ねことねずみ」は、何度も繰り返して遊んでいました。私が、最初に参加した小学生に遊び方を伝えると、その後はその子供たちが、後から参加したお友達に遊び方を伝え
、メンバー
が入れ替わりながらも、そのゲームは絶え間なく続いていきました。ゲームの説明と共に自分が感じた楽しさやおもしろさを、言葉やいろいろの方法で、相手が正しく理解できるように伝えている
彼らの姿に感動
しました!! これは、日頃から本に親しんでいる子どもたちだからこそ、豊かな言葉で伝えることができたのでしょう。
今回持参したおもちゃは全て、自分の手を動かし、頭
で考えなければ遊ぶことができないものばかりでした。大人も子どももみんな、五感をフル回転
させ集中
して、時間
のたつのも忘れるほど一生懸命
に遊びました。初めての個人宅での「おもちゃの広場」でしたが、初めて出会った人同士でも、おもちゃというツールを使い、すぐに仲良く遊び、その楽しさと特別な時間を共有できたことは、本当に素敵なこと
だと改めて実感しました。
どんぐり文庫のお友達と保護者の皆様、梶田さん、素敵な出会いと時間をありがとうございました。また、お会いできる日を心から楽しみにしています。
8月27日(土)の東福岡幼稚園での「おもちゃの広場」にも、ぜひお出かけください! きっと、たくさんの素敵なおもちゃに出会えることでしょう!
梶田宅のリビングに、おもちゃを並べました。
和室は、おままごと、お人形、お店屋さんごっこのレジスター。
木製の汽車や車で遊ぶ3歳のお友だち。
すごろく『はしれ こぶたくん』は、「おもしろすぎる!」と小学生に大好評!!
3色のスティックをひく『スティッキーズ』は、幼児と大人が一緒に楽しむことができるゲームです。
『マイ ファースト 果樹園』は、「わあ~ カラスがくる~」と、「カラスの動きにみんなドキドキ!!
『ねことねずみ』は、大人が必死になっていました。
積み木並べて、もうすぐドミノ倒しが始まります。
積み木を縦に積むと、こんなに高くなりました。小学生がひとり入り、その周りを積み木で囲みます。